9月定例会最終日に私がおこなった、平成23年度決算の認定に反対する討論、および各議案と請願に対する委員長報告に対する反対討論を紹介します。
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決算認定に反対する討論
日本共産党県議団を代表して、平成23年度一般会計決算の認定、ならびに通告してあります特別会計および公営企業会計決算の認定に反対の立場から討論いたします。
昨年度は、東日本大震災・福島原発事故直後の1年として、被災地の復旧・復興、被災者への支援、放射能汚染対策などが求められた年でした。本県は、長期派遣も含め約600人の職員を被災地に派遣し、県営住宅に入居された避難者にエアコン設置することを他県に比べ早期に決めるなど、復旧・復興や被災者支援事業にご尽力されてきました。
また、地方交付税が削減され、国庫補助金が減額されるという財政のやりくりが相当難しくなっている中で、全国に誇る中学卒業までの子どもの医療費無料化を継続実施していることに改めて敬意を表します。医療費無料化は、高崎で行ったアンケートにみられるように、保護者から大変歓迎をされています。あと8億円余りで、国のペナルティ分に匹敵しますが、高校卒業まで無料にできます。格差と貧困を子どもたちに押し付けないためにも、知事の英断を求めます。
こうした前進面があるものの、八ツ場ダムや「7つの交通軸」など大型開発に固執する姿勢は依然として変わりません。県債残高は1兆1107億円、県民一人当たり約56万円。とりわけ、国の借金を県に肩代わりさせる臨時財政対策債が519億円増の3503億円にのぼります。「借金の押し付けはやめよ」と国に毅然というべきではないでしょうか。
決算認定にあたって、こうした点を検討しましたが、とても賛同するわけにはいきません。以下、理由をのべます。
一つは、県民の生命、財産と安全を守る努力をつくしたかという点です。
福島原発事故による避難者は依然として、16万人を超えています。群馬県にも大量の放射能が降り注ぎ、県民とくに子どもたちの健康への影響が懸念されています。しかし、県は、放射線の専門家を集めた「有識者会議」で事実上の安全宣言を出してしまいました。チェルノブイリ事故の教訓をふまえ、内部被ばく・低線量被ばくの影響について、継続的に調査を行う必要があるにもかかわらず、「全く問題ない」と拙速な結論付けを行ったのです。放射線量測定にしても、地上1㍍の所だけ測ればいいというものではありません。子どもたちへの影響を考えれば、地上付近をきめ細かく測定し、ホットスポットはただちに除染するよう徹底する必要があります。
本県の県都前橋は、新潟県柏崎刈羽原発からわずか120㌔しか離れていないにもかかわらず、原発事故を想定した具体的な避難計画もありません。福島原発事故は、国会事故調査委員会も指摘するように、安全神話にどっぷりつかり、安全対策をないがしろにしてきたがゆえに起きた「人災」です。事故により、日常が断ち切られ、家族バラバラにされ、丹精込めてつくった田畑や大事に育てた家畜を失い、会社や生業を失った人たち。今、群馬県政が取り組むべきことは、こうした人々の悲しみ、苦難に寄り添い、この事故から深く学び、県民のいのちと暮らしを守る万全な対策をとることではないでしょうか。そして何よりも最大の防災対策は原発をなくすことです。原発からの即時撤退を政府に強く迫るべきです。
次に、大地震から県民生活を守る対策はどうだったでしょうか。一般住宅の耐震化は平成23年度末で76%にとどまり、4年後までの85%の目標達成は厳しい状況です。耐震改修について15の市・町で補助事業を実施していますが、県は実施しておりません。県としても住民の生命・財産を守る観点から、住宅耐震化のための補助事業を行うべきと考えます。
米軍機の低空飛行問題では、伊藤県議が総括質疑でのべたように、群馬県上空が何重にも米軍の訓練空域になっており、爆音と墜落の危険が県民生活を脅かしています。飛行が群馬に集中する、その原因についてもっと踏み込んで対処すべきでした。さらに、欠陥機であるオスプレイが沖縄県普天間基地に強行配備され、本県上空もその飛行訓練ルートに設定されていることが判明しました。騒音測定器を県庁に設置・記録をするとともに、低空飛行の被害にあっている関係各都県と連携して、飛行訓練の中止を米軍と政府に強く要請すべきです。
2点目は、県民が切実に求めている医療・福祉の充実についてです。
特別養護老人ホームの待機者はわずかに減少したものの、在宅で緊急度の高い方は増加し、依然として9000人近い方が入居を待っています。待機者解消にはほど遠い実態です。抜本的な増設・増床は急務です。
ハンセン病問題についてですが、草津町の栗生楽泉園では、重監房=特別病室の復元が来年度、いよいよ着工となります。あわせて、この間、入所者自治会長らが、県に対し、強制隔離政策など人権侵害を行ってきた歴史の検証作業や、資料の発掘・整理を再三求めてきたのに、遅々として進んでいません。私は文書館に行って調べましたが、明治期の警察の資料などが出てきました。その気になれば見つかるのです。この問題に本気で取り組む姿勢があるのか、県の姿勢が問われます。楽泉園入所者の平均年齢は83歳を超えています。園の将来構想の具体化とともに、重監房などの負の遺産をどう後世に語り継ぎ教訓化していくのか、国任せでなく、県としても積極的にかかわるよう要望いたします。
3点目に、大型開発偏重の体質に抜本的なメスがはいっていないという点です。
「7つの交通軸」に昨年度は前年度比30億円増の269億円がつぎ込まれました。これまでに着手している事業だけで2500億円、進捗率は65%ということですから、今後さらに900億円もの血税を投入することになります。さらに、未着手の区間にどのくらいの税金がつぎ込まれるかわかっておりません。人口減少や昨今の経済状況をかんがみれば、このまま不要不急の道路をつくり続けていいのか、厳しく問われています。
八ツ場ダムも再三申し上げているように、利水上も治水上も必要性がなく、地すべりの危険すらあるつくってはいけないダムです。むだな公共事業の典型であるダムに巨額の県費をつぎ込むことは認められません。関連して、八ツ場ダム予定地上流にある国の産業廃棄物最終処分場に関し、会計検査院から違法な支出を指摘されていることにふれなければなりません。ここには品木ダムの湖底を浚渫した汚泥が、この中には有害なヒ素なども含まれていますが、運び込まれています。廃棄物処理法で、地下水の汚染を防ぐためシートで遮断したり、排水処理施設を作ったりすることが定められているのに、約7年にわたって放置してきた責任は極めて重大です。産廃業者を管理監督すべき国と県が申し合わせて不法投棄を行ってきたに等しいではありませんか。猛省を求めます。
その他、特別会計と公営企業会計決算については、事業の中身からいえば賛成できるものもありますが、消費税を含んでおり、かねてからの理由により容認できません。
以上で、平成23年度決算に対する反対討論といたします。
各議案と請願に対する反対討論
日本共産党県議団を代表して、通告してあります、各議案および請願について委員長報告に反対の立場から討論いたします。
補正予算については、特別支援学校や通学路の安全対策、救急医療・がん医療の充実、放射能汚染対策などが中心であり賛同できますが、いくつかの事件議案が賛同できません。
第119号及び120号は、いわゆる地域主権改革一括法関連で、流域下水道排水施設の基準や水道の布設工事監督者の配置および資格基準などを条例で定めようとするものですが、技術的・専門的な事項は本来国で統一的に定めるべきものであり、反対です。
第126号は、国民健康保険法の改正にともない県調整交付金の規定を改正するものです。国保法改正は、月30万円以上の医療費を都道府県ごとに全市町村で負担する国保財政安定化事業を2015年から事業対象をすべての医療費に拡大し、今後、国保財政運営の都道府県化を推進する一方で、国庫負担割合を給付費等の34%から32%に引き下げるものです。各市町村の国民健康保険の財源不足は危機的で、国庫負担を抜本的に引き上げることこそ求められているのに、それに逆行するものであり認められません。このような法改正にもとづく本条例改正に反対します。
第130号、132号は赤城西麓の国営かんがい排水と利根沼田の農用地総合整備事業、通称望郷ラインについて、市町村の負担を求めるものです。前者は総事業費約279億8700万円、今年度分として昭和村や渋川市など4自治体に1億8900万円余り、後者は総事業費446億9千万円、今年度分として、沼田市やみなかみ町など4自治体に4億7千万円余りという巨額の負担が求められています。望郷ラインは農業用車両がほとんど通行しておらず、また本議会に出されている県道昇格の請願は、後年度負担にあえぐ市町村の実情をあらわすものです。このような過大な大型開発の在り方を問い直す意味からも、あえて反対します。
次に請願についてのべます。
厚生文化5号、6号、7号は、いずれも年金制度の改悪を許さず、充実を求める請願であり、同12号は国保「広域化」に反対する請願であり、いずれも採択を主張します。同18号は、国保「広域化」を前提としたものであり、継続でなく不採択を求めます。
同19号、こころの健康を守り推進する基本法の法制化を求める請願です。
14年連続で自殺者が3万人を超えるなど、依然として深刻な状態にあります。身体・知的・精神の3障害を一体に支援する法律が制定されましたが、精神疾患へのサービス基盤整備は遅れています。精神医療改革と家族支援を軸として、すべての国民を対象とした、心の健康についての総合的、長期的政策を保障する基本法の制定が強く求められています。よって、継続でなく、採択を求めます。
産経土木12号、上信自動車道の建設促進を求める請願について、財政状況が厳しい中で急ぐべきではありません。不採択を求めて、委員長報告に反対します。
総務企画5号、消費税増税に反対する請願です。
消費税増税法案が民主自民公明などによって強行されましたが、大増税が暮らしと経済に大打撃を与えることは明らかであり、多くの国民が不安と怒りを強めています。消費税を増税しても、社会保障が良くならないうえに、財政も良くならないことが、いよいよ明瞭になっています。消費税頼みから、能力に応じて税を負担する原則への抜本的転換、大企業応援の「成長戦略」から「国民の所得を増やす経済改革」への抜本的転換こそ求められています。よって、本請願の採択を求めます。
同18号および19号は米海兵隊垂直離着陸機オスプレイの配備と飛行訓練の中止を求める請願です。沖縄に強行配備されたオスプレイは、何度も墜落事故を起こしている欠陥機であり、知事も7月6日に防衛大臣に対し「安全性への懸念が払拭されない限り、国内での訓練飛行が行われないようにすること」と要請をしました。また全国の自治体123議会で意見書が上がっており、多くの市町村長からも懸念の声があがっています。しかし、米軍は普天間基地周辺をはじめ市街地上空で、学校や病院の真上で低空飛行訓練を繰り返しています。オスプレイ配備の中止・撤回を求める声は当然であり、採択を強く求めます。
残余の請願については、かねてからの理由により委員長報告に反対です。
以上申し上げて、私の反対討論といたします。