政治を変えて、くらしに希望を。

日本共産党 群馬県議会議員 酒井ひろあき

国追随・大型開発優先でなく、県民のくらし福祉の充実に回せ 昨年度の決算認定に反対の討論

本日、平成26年群馬県一般会計決算などに反対する討論を行いました。
以下、その全文です。

日本共産党の酒井宏明です。会派を代表して、平成26年度一般会計決算等の認定に反対する討論を行います。
安倍首相は「アベノミクス」で景気がよくなったと胸を張りますが、実際は消費税8%増税で家計と地域経済が冷え込み、2014年度のGDPはマイナス0・9%と落ち込みました。その一方で大企業の経常利益は史上最高の37兆円にのぼりました。
「大企業が儲かれば家計にまわる」というのはまっかなウソだったではありませんか。
非正規労働者を拡大し、低賃金と長時間労働のまん延をまねき、格差を拡大してきた安倍政権の責任はきわめて重大です。
さらに、集団的自衛権行使容認の閣議決定沖縄県辺野古への米軍新基地押しつけなど、憲法と民主主義を蹂躙する「海外で戦争する国」づくり、日本農業と地域経済を破壊するTPP交渉の推進、原発再稼働、介護、年金、医療、生活保護など社会保障の相次ぐ削減。あらゆる分野で民意にそむく安倍自公政権に対して、群馬県政が県民のいのちとくらしを守る防波堤の役割を果たすことが切実に求められていたのにもかかわらず、国追随の姿勢をいっそう強め、県民の暮らしや福祉を守る構えと体制がきわめて脆弱だったといわなければなりません。

以下、具体的に反対理由を述べます。
第一に、相変わらず大型開発に固執している点です。
高崎競馬場跡地へのコンベンション施設建設問題では、多くの県民から批判の声が寄せられ、知事もいったんは見直しを口にせざるをえませんでした。昨年、県が行った利用者アンケート調査でも規模についての意向調査では5千平方メートル未満と規模縮小が多数を占めていました。
ところが、需要見込みが過大なことが明らかであるにもかかわらず、結局当面1万平方メートル、最終目標2万平方メートルという巨大施設計画をしゃにむに進めようとしています。いったいなんのための需要調査だったんでしょうか。
建設費だけで280億円、周辺整備も含めれば300億円以上。東京オリンピックまでに完成させるといいますが、建設資材の高騰で建設費がいくらふくらむかわかりません。
周辺住民への説明会では、交通渋滞や騒音、排水対策、通学路の安全、住民のプライバシー侵害などへの不安や疑問の声が多数出されました。しかし、具体的、根本的な解決策はなんら示されていません。
県民的なコンセンサスが得られないまま、巨大な施設を建設することは、将来に重大な禍根を残すことになります。改定案が出された今こそ、全県民的なアンケートを実施し建設の是非を問うべきです。
昨年は「7つの交通軸」整備に、前年度並みの315億円が投入されました。
特に指摘しなければならないのは、吾妻軸の上信自動車道です。その全体事業費は国直轄の区間を含めれば1000億円を超します。今でも国道と県道が走り、渋滞もほとんどありません。それなのに1メートルあたり230万円もの血税をつぎ込む、まさに巨大開発です。県民の暮らしがこんなに大変な時に優先順位が違うのではないでしょうか。
八ッ場ダムの本体工事が昨年度着工されました。造成地への有害鉄鋼スラグの大量不正使用が明らかとなった今、工事をいったん中止し、スラグ問題の全容解明と撤去に全力をあげるよう、国に強く働きかけるべきです。

第二は、県民のくらしや福祉を守る独自施策に乏しい点です。
大雪被害対策、特別支援学校の整備、中学卒業までの医療費無料化の継続など、評価すべき点もありますが、全体として、国いいなりで、独自施策に欠けています。
「保険あって介護なし」の実態が深刻化し、特養ホーム待機者は依然として7500人を超え、緊急度の高い人も900人近くいます。昨年度は445床増えましたが、待機者解消のためにも、抜本的な増設が求められています。
国の介護報酬引き下げにより、担い手である介護職員の処遇改善もできず、人手不足に拍車をかけ、経営が成り立たずに閉鎖・休止に追い込まれる介護事業所が増えることが懸念されます。現場の実態をしっかりと把握したうえで、独自の対策が急がれます。
 子どもの貧困が広がっています。学校給食費の無料化を求める請願が1万8千余の署名を添えて提出されましたが、県はこうした願いに背を向けています。上野村南牧村神流町給食費を完全無料化しているのをはじめ、県内10市町村で一部無料化に踏み切っています。
県として中学3年生から段階的に順次無料化すれば、年度ごとの負担は数億円で実現可能です。
30人学級も前進がありませんでした。小学校ですべて30人学級にするのに必要な教員数は446人。23億円あればできます。35人学級なら、小学校で136人、7億円あればできます。その気になりさえすれば、十分ねん出できる額ではないでしょうか。
 福島第一原発事故による放射能の影響から子どもたちの健康を守るために、甲状腺機能検査が求められていたのに、県は安全神話につかったまま。福島県甲状腺がんが多数見つかっている現状を直視するならば、少なくても希望者には検査を実施すべきです。

第三に、歴史の真実を直視し、憲法と民主主義を守る姿勢が弱い点です。
昨年7月、高崎市の「群馬の森」公園に市民団体が建てた朝鮮人犠牲者追悼碑について、県は難癖をつけて設置許可の更新を拒みました。
かつて日本が朝鮮を植民地化し、朝鮮人を強制連行して過酷な労働を強いたのは歴史的事実であります。県議会が全会一致で認めた追悼碑を、レイシスト排外差別主義者の不当な圧力に屈して、撤去するなど言語道断であり、歴史の真実から目を背けようとする恥ずべきことです。
現在、前橋地裁で裁判が進行中ですが、県は判決を待たずに、原告の訴えを認め、すみやかに設置許可を更新するよう強く求めます。

最後に、特別会計および公営企業会計についてです。団地造成事業では、板倉ニュータウンはいまだに半分しか売れず、県央第二水道、東毛工業用水道は当初計画の3分の1しか給水実績がなく、企業の買い取りも減っています。過大な需要見込みにもとづく開発行政に警鐘を鳴らす意味からも、あえて反対します。
不要不急の大型開発を見直し、県民の暮らしや福祉に回せ―こうした県民の切実な声にこたえない決算認定及び知事の政治姿勢を容認するわけにはいきません。住民の福祉向上という地方自治の本旨にのっとった県政運営を強く求めまして、私の反対討論といたします。ありがとうございました。