
---群馬県議会会議録より引用---
◆平成23年 5月 定例会-06月10日-06号
日本共産党県議団を代表して、通告してあります各議案に対する反対討論を行います。
最初に、第86号議案中、生涯学習センターのESCO事業に係る委託契約について述べます。同事業の最大の目的は、温室効果ガス排出削減などを名目に、空調、熱源設備などの設置と運営を民間企業に丸投げするものです。厚生文化常任委員会においては、自然史博物館への導入を巡り大きな議論となり、集中審議の末に全会一致で否決した経過については、委員長報告のとおりであります。委員会の見識の高さに頭が下がります。当局からは、水道、光熱費の節減、費用負担の平準化などが強調される一方、15年という長期にわたる債務負担行為の是非や、ESCO事業者が破綻した場合のリスクなどについて、納得のいく説明がされませんでした。また、県が独立した議案として提案しておらず、事業の詳細を議会に説明していない問題や、事業者選定に問題があることも浮き彫りにされました。こうした議論に照らせば、生涯学習センターに同事業を導入することについても否決すべきではないでしょうか。日本共産党は、民間活力導入路線を推し進め、公的責任を投げ出す構造改革の流れに警鐘を鳴らす立場から、同議案に反対するものです。
第86号議案中、八ッ場ダム関連の工事請負契約について、いわゆる湖面1号橋の建設に係るものですが、ダム推進のための工事であり、反対です。
第86号には震災関連予算が含まれていることは承知をしておりますが、ESCO事業などの問題がある以上、県政のチェック役として、あえて反対をするものです。
次に、第88号議案についてです。県立義肢製作所に経営努力や創意工夫を発揮させることを目的に利用料金制を導入するものです。自由な料金設定を可能にする背景には、収益を上げさせ、その分、指定管理料を引き下げる意図が見えます。利用者への負担増にはね返るおそれもあります。そもそも指定管理者制度ではなく直営で行うべきものであり、本条例改正に反対です。
第90号議案は、馬事公苑の一般乗馬サービスの利用料金や時間を指定管理者が自由に設定できるようにするものです。馬事公苑の現在の料金体系は、民間の乗馬クラブの経営を圧迫するようなものではなく、むしろ乗馬人口の底辺を広げる役割を担うすみ分けがされています。赤城の自然とあわせて観光の拠点にもなっており、首都圏からのリピーターも多数いる状況です。説明では、利用者の要望に機敏に応えられると言いますが、県の直接管理でもそれは十分可能です。また、そうしてこそ設置目的に沿った運営が保証されるのではないでしょうか。特に馬事公苑は生き物を扱う専門性の高い施設であり、本来指定管理者制度になじまないと考えます。以上の理由から条例改正に反対です。
第91号議案は、県立公園に利用料金制を導入する条例改正ですが、同様の趣旨から反対です。
第95号議案は、車両捜査支援システム、いわゆるNシステム整備に係る請負契約についてです。7億円余りを随意契約で行うものですが、その設置目的や詳細な効果、実績、なぜ随意契約なのかなどの説明は大枠だけで不十分なものです。また、問題にしなければならないのは、市民生活の監視につながりかねない危険があるという点です。警察の担当者は厳格な運用手続きを強調しますが、第三者機関による定期的な検証などのチェック機能がなければ、恣意的な運用に歯止めをかける保証はどこにもありません。そうした観点から同議案に反対です。
承第2号のうち、同意できないのは八ッ場ダム関連事業です。補助整備の基金事業など同意できるものもありますが、全体として見ればダム建設促進に関わるものであり、反対です。
以上で私の討論を終わります。(拍手)
◆平成23年 9月 定例会-10月19日-05号
日本共産党県議団の酒井宏明です。会派を代表して、平成22年度一般会計決算及び通告してあります特別会計並びに公営企業会計決算の認定に反対する立場から討論いたします。
平成22年度は、リーマンショック以降の大不況による格差と貧困が広がり、暮らしも営業も成り立たない中で、各地で派遣村や相談会などが繰り返された年です。ところが、民主党政権は、政権交代に託した国民の期待を裏切り、医療、介護、年金など社会保障を切り捨て、負担増を押し付ける政策を次々に打ち出し、強行しました。さらに、消費税増税、TPP(環太平洋連携協定)への参加に躍起となるなど、悪政を推し進めています。
本来、県政は国の悪政の防波堤となり、県民の福祉と暮らしを守るべきです。こうした点で大澤県政はどうだったでしょうか。中学卒業までの子どもの医療費無料化は、虫歯治療率の向上や慢性疾患の受診率の増加など、重症化を防ぐうえで大きな効果を発揮しており、高く評価できるものです。こうした福祉の心を県政全体に貫くべきでした。ところが、八ッ場ダム建設に固執し、7つの交通軸など大型開発に相変わらず熱心です。決算審査に当たり、こうした点を中心に検討しましたが、とても認定することはできません。以下、理由を述べます。
1点目は、県民向け予算の確保に向けた大型公共事業の見直しが極めて弱かった点です。八ッ場ダム建設について、建設の根拠がことごとく崩れているにも関わらず、あくまでも推進に固執する姿勢こそ問われなければなりません。国のやり方に問題があることも確かですが、ダム建設にしがみつけばつくほど莫大な県費をつぎ込むことになります。利水上も治水上も必要性がないだけでなく、環境を破壊し、地すべりなどの災害を誘発させかねない危険なダムはきっぱりと中止し、生活再建、生活保障に本格的に取り組むべきです。また、7つの交通軸構想には、昨年度239億円、当初予算比125%が投入されましたが、さらに1,000億円以上もつぎ込む計画です。一方で、総括質疑でも触れましたが、急傾斜地対策には5億円余りしか投入されていません。あまりにもバランスに欠けるというものではありませんか。
2点目は、県民が切実に求めている福祉の充実についてです。特別養護老人ホームの入居待機者は8,965人に上り、1年間で205人増えました。緊急性の高い1,115人もの待機者解消が進んでおりません。増え続ける待機者解消へ抜本的な対策が必要です。
3点目は、住民のための公共サービスへの公的責任を投げ捨て、行政がやるべき仕事を民間に丸投げする姿勢です。光熱水費の大幅削減を名目に、県有施設の空調設備運営を民間企業に委託するESCO事業導入、各種施設の指定管理者制度への移行によって正職員が減らされ、官製ワーキングプアがつくり出されています。利用者負担増、住民サービスの切り捨てにつながるおそれがあることを厳しく指摘しなければなりません。
4点目に、産業廃棄物処理施設についてです。県は、高崎市吉井町に計画されている産廃処分場建設問題で事前協議制の趣旨を逸脱し、地元自治会が事実上の同意書撤回宣言をし、高崎市も住民の意見を聞き、意見書を県に提出しているにも関わらず、事前協議を終了してしまいました。住民の意思に反して設置されるようになったら、県の責任は重大です。このように大企業、大型開発優先でなく、県民の命と暮らしを守る福祉と防災のまちづくりへと県政を大きく転換することを訴えます。
次に、警察決算の一部に反対の立場から意見を述べます。
9月30日の文教警察常任委員会で、角倉委員の質問に対して警備部長は、日本共産党が敵の出方論、暴力革命の方針を堅持して活動しているなどとして、警察法第2条を根拠に、日本共産党の動向調査、警察活動を遂行していると述べました。
この答弁は、国会、県議会などに議席を持ち、平和的に活動している日本共産党に対する極めて悪質な偏見に基づく誹謗中傷であり、暴言です。また、日本共産党に対する動向調査なるものは、基本的人権を侵害する明白な憲法違反であり、警察法第2条で定めている不偏不党、公平中立の原則にさえ反する法律違反そのものであり、県民の貴重な血税の浪費であり、直ちに中止することを求めます。日本共産党は暴力革命とは全く無縁であり、綱領や方針、政策のうえでも具体的な活動のうえでも、国民多数の意思に基づき、議会を通じて社会変革を進める立場を貫いている政党です。敵の出方論について言えば、選挙で国民多数の支持を受けて成立した政権に対して、暴力によってこれを転覆しようとする動きがあった場合、政府が法に基づきこれを排除し、秩序を維持するというもので、極めて適法的な考え方です。
以上述べたとおり、警備部長の日本共産党に対する発言は断じて許すことができません。厳重に抗議し、この決算に反対します。
その他、特別会計と公営企業会計決算について、県有模範林施設費、収入証紙、病院事業など、事業の中身から言えば賛成できるものもありますが、これらは地方公共団体に納税義務がないにも関わらず消費税を上乗せ徴収しており、容認できません。団地造成事業のうち、板倉ニュータウンについて、価格調整引当金で表面上は赤字が出ないようにしていますが、事実上の赤字決算であり、粉飾的に漫然とこうしたことを続ける県政に警鐘を鳴らしておきます。
以上で平成22年度決算に対する反対討論といたします。(拍手)
◆平成23年 9月 定例会-10月19日-05号
日本共産党県議団を代表して、通告してあります各意見書に対して反対の立場から討論を行います。
議第15号「尖閣諸島をはじめ我が国の領土及び領海を守る体制整備を求める意見書」案についてです。
もとより尖閣諸島に対する日本の領有は歴史的にも国際法上も明確な根拠があり、中国側の領有権の主張には全く正当性がありません。近代に至るまで、無主の地であった尖閣諸島を日本政府はたびたび調査をしたうえで、1895年1月14日の閣議決定によって日本領に編入しました。このことは国際法上の先占に当たります。そして、第2次世界大戦終了まで、最盛期には200人近い人々が居住し、アホウドリの羽毛の採取を行うなど、日本の実効支配が行われてきました。戦後も、一時アメリカの支配下に置かれましたが、沖縄返還協定に伴い施政権が日本に返還され、今日に至っています。
一方で、中国側は、1970年代に入ってから尖閣諸島の領有権を主張していますが、それまでの75年間、1度も日本の領有に対して異議も抗議も行っておりません。
このように尖閣諸島に対する日本の領有権は、歴史的にも国際法上も明白です。尖閣諸島を巡る紛争問題を解決するために何よりも重要なことは、日本政府が尖閣諸島の領有の正当性について国際社会及び中国政府に対して理を尽くして主張することです。ところが、歴代の日本政府は、領有の正当性を堂々と主張してきませんでした。
今回、中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突し、漁船船長が逮捕された問題でも、検察は逮捕した船長を処分保留として釈放しましたが、逮捕の被疑事実、釈放に至る一連の経過について、国民に納得のいく説明をしてきませんでした。民主党政権が、領有権の正確な主張を含め、こうした毅然とした態度をとってこなかったことこそ問題です。
意見書案では、2項で、領海侵犯を取り締まり、直ちに拿捕を可能とする関係法令の整備を図るとあり、また、3項で、自衛隊の領域警備のための法制度を確立するなどとあります。尖閣諸島付近の日本の領海で外国漁船の不法な操業を海上保安庁が取り締まるのは当然のことです。しかし、意見書案のような力ずくの対応では、真の解決にはならないばかりか、事態をエスカレートさせかねません。平和的な解決に逆行することにもなります。
大事なことは、憲法第9条の立場で平和的・外交的努力を尽くすことです。日本と中国との間で、あれこれの問題で意見の違いや行き違いが起こっても、話し合いで平和的に解決することが何よりも重要であることを強調し、本意見書案に反対するものです。
次に、議第17号「八ッ場ダム建設事業の早期完成を求める意見書」案についてです。
検証の結果、八ッ場ダムが最も有利であることが明確に示されたとし、直ちに八ッ場ダム本体工事に着手することなどを求めています。一般質問で我が党の伊藤議員が指摘したとおり、この検証は、先に結論ありきというべきもので、国民を納得させることができる客観性も科学性も持ち合わせておりません。
まず、検証を行ったのが八ッ場ダム建設の主体である国交省関東地方整備局です。ダムをつくっている部局がそのダムの必要性を検証して、どうして客観性が担保できるのでしょうか。危険な原発を、安全神話を振りまいて立地していったやり方と同じ構図です。治水の検証では、八ッ場ダムの洪水削減能力を突然それまでの倍に引き伸ばし、半世紀以上の森林の成長も考慮しないという強引なやり方でダム有利と結論付けました。意見書案では、100年、200年に1度の災害にどのように対応するのか、今こそ防災のあり方が問われていると言いますが、その200年に1度の洪水であるカスリン台風の豪雨に対して、八ッ場ダムの効果はゼロだということを国交省自身、国会で答弁しているのです。ダムに頼る治水は不確実であやふやです。
しかも、利根川の治水予算は、八ッ場ダムへの予算の集中によって、より本質的な洪水対策である堤防改修などの予算が大幅に減少しています。利水では、首都圏の水余り状態という根本的な問題についてはまともに吟味せず、各都県の参画水量をそのまま前提にして、富士川から導水するなどの荒唐無稽な案まで持ち出して、ダム有利の結論を導いています。これ以上水源対策は必要ないと言っているときに、ダムのほかに水源はあるかとやっているわけで、全く見当違いの検証です。
また、一定の河川流量の水源確保を目的とした流水の正常な機能の維持の検証もずさんです。2004年の計画変更の際に、流水の正常な機能の維持のための放流、毎秒2.4トンが追加され、群馬県はこのために29億円の負担をしています。ところが、吾妻川、白砂川から大量に取水している東電松谷発電所の水利権が来年3月に更新となる際、発電ガイドラインという水利権のルールによって一定量放流が義務付けられています。全国の例から見ても、八ッ場ダムの放流量に匹敵する量を確保できる見込みは大きく、そうなればダムは必要なくなるではありませんか。
また、代替地や地すべりなど災害誘発についても、検証は極めて不十分です。奈良県の大滝ダム、埼玉県の滝沢ダムに見られるように、ダム完成後の地すべりは10年単位でダムを使用不能にし、数百億円の対策費が必要になる場合もあります。地すべりのデパートと呼ばれる場所へのダム建設を十分な検証もなしに進めるのでしょうか。いずれにしても、まともな検証にほど遠いもので、こうした茶番劇のような検証をもってダム建設の再開は許されるものではありません。利水、治水上必要性はなく、災害を誘発しかねないダム建設は中止して、ダムなしの生活再建を求める立場から、意見書の採択に強く反対いたします。
以上、2つの意見書案に対する反対討論といたします。(拍手)
◆平成23年 11月 定例会-12月16日-06号
日本共産党県議団の酒井宏明です。通告してあります各議案及び請願について委員長報告に反対の立場から討論いたします。
第126号及び第128号から第133号は、主に県職員等給与の減額に係る議案です。我が党の伊藤議員が条例改正案への反対討論で詳しく述べたように、今回の賃下げは東日本大震災の救援復興をはじめ、全体の奉仕者として奮闘している県職員等の士気を低下させ、市町村職員や民間労働者の賃下げを誘導し、本県経済の冷え込みや景気悪化を招くものです。賃下げの根拠となる民間事業所の実態調査結果も示さず、県職員の労働基本権を認めないに等しい人事院勧告に基づく給与減額を容認するわけにはいきません。よって、関連する各議案に反対です。
第134号及び第141号、第142号は、地方分権一括法に伴う条例改正で、屋外広告物法や文化財保護法、銃砲刀剣類取締法などに基づく事務を県から市町村に移譲するものです。専門性が求められる事務を財源的裏付けもないまま市町村に押し付けるものにほかなりません。県の仕事を空洞化させ、道州制への下地をつくるものでもあり、反対です。
第145号は、指定管理者の指定についてです。全国的に指定管理者が仕事を非正規職員に任せたり、自治体の直営時に比べて賃金を安くしたりすることが問題視されています。総務省が昨年12月都道府県にあてた通達では、公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を指定するもので、コスト削減のみを目的としないよう求めています。ところが、例えばぐんまこどもの国児童会館では、前回に比べ1,500万円余り、率にして3.3%も委託管理料が減らされています。民間活力を図るとは名ばかりで、地方自治体の公的責任、公共サービスを投げ捨てる指定管理者制度ではなく、直営を基本にして住民サービスの向上を目指すべきです。よって、本議案に反対します。
第146号は、八ッ場ダムに係る橋梁工事請負契約の締結であり、反対です。
次に、各請願について述べます。
厚生文化第5号全額国庫負担の最低保障年金制度の創設を求める請願、同第6号年金受給資格期間の10年への短縮を求める請願、同第7号0.4%の年金引き下げをもとに戻すことを求める請願及び同第10号70歳以上の高齢者医療費無料化を求める請願は、いずれも年金制度の改悪を許さず、高齢者の命と暮らしを守るための切実な願いであり、継続や不採択でなく採択を求めます。
同じく第12号国保広域化に反対する請願についてです。国保財政が困難となっているのは市町村運営だからではなく、国庫負担金が大幅に削減されてきたためです。国保が広域化されれば、財政責任の県への押し付けや累積赤字を解消するための徴収強化、国保税のさらなる大幅引き上げにつながることが容易に予想されます。国保加入者の負担は既に限界です。国保の広域化ではなく、国保負担の大幅増額を求める本請願の採択を主張します。
産経土木第8号は、7つの交通軸構想の一環である西毛広域幹線道路の早期全面開通を求める請願ですが、県税収入は落ち込む中で何十年かかるかわからない、維持管理費も莫大にかかる大規模道路の建設を急ぐ必要はありません。
文教警察第6号は、東日本大震災から学校と教育を復興させるため、教育予算の抜本的拡充を国に求めることをはじめ、小・中・高校の30人以下学級の実現、給付制奨学金制度の創設などを求める請願です。定時性高校をなくさないこと、学校の耐震化を進めることについての採択はもちろん歓迎するものですが、児童・生徒、父母、教職員の要求の切実さを考えれば、一部採択ではなく全部採択することを強く求めます。
総務企画第5号消費税増税に反対する請願、同第6号所得税法56条の廃止を求める意見書採択を求める請願、同第7号米艦載機低空飛行訓練中止を求める請願、同第8号高齢者の県有施設無料利用を求める請願、同第9号私学助成拡充を求める請願、同第10号各種専修学校の経常費助成の拡充についての請願、同第11号私立幼稚園の振興対策についての請願、同第12号私立中学・高等学校等に対する助成についての請願について、いずれも県民・中小業者の暮らしと営業、子どもたちへの行き届いた教育の実現にとって欠かすことのできない内容であり、採択を求めます。
残余の請願については、かねてからの主張により、委員長報告に反対です。
以上、申し上げて私の討論といたします。(拍手)
◆平成24年 2月 定例会-03月19日-07号
日本共産党県議団を代表して、通告してあります議案及び請願に対し、委員長報告に反対の立場から討論いたします。
東日本大震災、福島第一原発事故から1年が経過し、被災地の復旧、復興、被災者支援、放射能汚染対策は、群馬県政にとっても引き続き重要な課題です。こうした中で、県民の命と暮らしを守る県政のあり方、真価が厳しく問われています。このような観点から、来年度予算案を慎重に検討しましたが、子どもの医療費無料化の継続など評価できる施策もありますが、全体として県民の福祉を守る姿勢に弱く、同意できません。以下、理由を述べます。
第1に、大型開発など無駄遣いを温存し、借金依存体質から抜け出せていない予算だということです。
八ッ場ダム関連負担金や関連事業に合わせて97億円、7つの交通軸に前年比110%の234億円余を計上するなど、相変わらず大型開発偏重です。八ッ場ダムについては、再三指摘しているように、つくってはいけない危険なダムであり、巨大な負の遺産となるダム本体工事の着工を認めるわけにはいきません。これまで長年にわたって苦難を強いてきた地域住民に対する補償を十分行うとともに、ダムなしの生活再建と地域経済の振興に向けた対策こそ強化すべきです。
大型道路の建設は、人口が減り、交通量も減る中で、今、急ぐ必要はありません。県債残高は1兆1,300億円になる見通しです。通常債は前年比99億円増の350億円、国が地方に押し付けている借金、臨時財政対策債は5年前の3倍以上、638億円に膨れ上がっています。借金依存体質からの脱却が強く求められています。
第2に、知事は、安心・安全の暮らしを盛んにアピールしますが、防災計画でも原発事故対応でも具体的な施策に乏しく、安心・安全にほど遠い予算だということです。
原発事故による放射能汚染から県民の命と健康をどう守るのかが問われているのに、具体的な事故を想定したシミュレーションも避難計画もなく、国頼みであること、食料や水、燃料などの備蓄も不十分なことが一般質問の中で明らかとなりました。とりわけ、停止中の原発の再稼働について、知事は、国の安全性の検査を見守るという極めて受け身の姿勢です。一たび事故が起これば空間的にも時間的にも社会的にも甚大な影響を及ぼすことになる原子力発電と人類が共存できないことは明らかです。県として原発からの撤退を国に強く求めるべきです。
放射線の健康への影響に関する有識者会議は、健康への影響は全く問題ないレベルであると事実上の安全宣言を出しました。ここには、内部被曝や低線量被曝の影響を無視、軽視するICRPの勧告が色濃く反映しています。しかし、放射能の影響、特に内部被曝の問題に関して様々な研究が進む中でICRPの基準が揺らいでいます。最新の知見、異なった立場の見解にも十分配慮し、最も安全性に重きを置いた対策が必要なのに、県にはそうした姿勢が見られません。
また、震災がれきの広域処理に関して、多くの県民は被災地の復旧、復興に協力したいという思いと、放射能の汚染は大丈夫か、農作物や観光業への風評被害が心配という複雑な思いを抱えています。県として安全性を重視した独自の基準をつくり、がれきの搬出から受け入れまで厳しくチェックをし、徹底的な放射能測定と全データを公表すること、受け入れを表明した自治体だけでなく、その周辺自治体の住民への十分な説明と合意を基本に進めることが必要ではないでしょうか。
第3に、県民福祉の向上のスタンスが弱い予算だということです。介護保険の改善が急務なのに、国はこれまで全額国費で負担してきた介護職員処遇改善交付金を廃止してしまいました。介護報酬に組み込むことで国の負担を減らし、地方自治体と利用料、保険料の負担を増やす狙いです。4月からの介護報酬は1.2%の引き上げとされていますが、実質はマイナス改定です。介護保険財政安定化基金を取り崩し、保険料の上昇抑制に充てることが可能となりましたが、それでもなお、来年度から県全体で保険料が月平均900円アップの4,900円前後になる見込みです。もはや県民の負担は限界です。県として保険料抑制のために取り崩した基金を充てることを含め、国に対しても保険料軽減のためにこの基金を使うよう強く要請すべきです。特別養護老人ホームの待機者は全県で約9,000人に上り、増床が追いつかない状況です。老老介護、認認介護など、介護を巡る状況は一層深刻化しております。県がイニシアチブを発揮して思い切った増設を行うべきです。以上の理由により、1号議案、来年度一般会計予算案には同意できません。
次に、その他の議案について述べます。6号議案、用地先行取得特別会計は、7つの交通軸の上信自動車道等に関する用地取得に関わるものです。不要不急の道路建設のために莫大な県費をつぎ込むことには反対です。9号及び47号は、流域下水道に関する特別会計と議案ですが、スケールデメリットの大きい事業であり、認められません。13号は、本来医療行為である喀たん吸引等の規制緩和を図るものですが、医療レベルを引き下げるおそれがあり、反対です。14号から16号、39号及び40号は、いわゆる地方分権一括法により、本来国や都道府県でやるべき業務を市町村に丸投げするものであり、容認できません。19号は、県職員の部長級、課長級の給与を減額するものです。職員の士気を低下させ、人事委員会勧告にも基づかず、県経済にもマイナスの影響を与え、民間労働者の賃下げにも連動するものであり、認められません。38号、公立学校の職員定数を削減する条例改正ですが、今こそ30人学級を実現できるチャンスであり、教職員を安易に削減するべきではありません。7号、50号から54号、56号の各特別会計は、売り上げに消費税が含まれているために反対、その他の議案についてはかねてからの理由により反対です。
次に、請願についてです。
厚生文化14号、子ども・子育て新システムの導入に反対する請願です。直接契約、利用者補助、保育料の応益負担などを柱とする仕組みであり、保育の市場化、産業化を推し進め、児童福祉法24条に基づく市町村の保育実施義務を大幅に後退させるものです。継続でなく採択を求めます。
環境農林6号のうち森林環境税について、既に創設した数件の条例を見ると、事業者だけでなく個人への課税も含んでいます。県民生活が大変なときに頭数で一律に負担を課すのは問題であり、この項を除いた部分の採択を求めます。
産経土木3号、住宅リフォーム助成制度は、高崎市をはじめ11の市町村で実施され、その経済波及効果は実証済みです。来年度は3つの市で実施が予定されています。県として市町村と中小業者を応援すべきであり、継続でなく採択を主張します。
文教警察8号及び10号は、県立高校の男女共学化実現を求める請願です。共学化は時代の趨勢であり、性別によって社会的に分け隔てられたり、不利益を受けたりすることのない男女共同参画社会形成の考え方にも合致するものであり、継続でなく採択を求めます。
ここで指摘しておきたいことがあります。ある会派は、この請願について、あえて請願者を2人に分け、一方の紹介議員となり、これには継続に反対し、つまり、採択を主張し、我が党が紹介議員となった請願は一字一句違わないのに継続に賛成するという矛盾した態度です。こうした態度は県立高校の共学化を本当に実現しようとしているのか疑問であると言わざるを得ません。
総務企画5号、消費税増税に反対する請願、7号、米軍機の低空飛行訓練中止を求める請願は、いずれも県民の切実な願いであり、採択を求めます。
同13号、郵政改革関連法案の早期成立を求める請願についてです。郵政事業の全国一律のサービスを国民に保障するために政府が運営に責任を持つ公的事業体に見直す必要があります。こうした観点から、民営化の推進を求める本請願の採択に反対です。
残余の請願については、かねてからの主張により、委員長報告に反対です。
以上を述べて私の反対討論といたします。(拍手)