4日、県議会の本会議が開かれ、昨年度の一般会計決算などの認定に反対する討論を行いました。
以下、その全文です。
日本共産党県議団の酒井宏明です。会派を代表して通告してあります平成25年度一般会計決算など各会計の認定に反対する立場から討論します。
昨年度は、安倍自公政権のすすめる異常な金融緩和や国土強靭化の名による大型公共事業のばらまき、社会保障切捨てと一体となった増税路線が国民生活との矛盾を広げた一年でした。アベノミクスは多国籍企業と富裕層には莫大な利益をもたらしましたが、労働者や中小企業の収益など国民所得増には結び付きませんでした。
この年度はさらに、国民の目と耳と口をふさぐ特定秘密保護法を強行成立させ、集団的自衛権の行使容認や沖縄米軍新基地建設を企むなど、民主主義を蹂躙する戦争と日米軍事同盟強化の道を推し進めました。
こうした中で県は、県民のいのちと暮らしを守る地方自治体の本来の役割を果たさず、国民犠牲の政治に加担しているといわざるをえません。
以下、具体的に反対理由を述べます。
第一に、県民の暮らし・福祉を守る問題です。
特別支援学校の整備や障害者リハビリテーションセンターの再編整備、障害者就労サポートセンターの新設、子どもの医療費助成の継続など評価できる施策もありますが、全体として、県民の暮らしを守り、福祉を向上させるという姿勢がきわめて弱いといわざるをえません。
最新の総務省の統計によると、群馬県の勤労者世帯の実収入は1世帯1カ月42万円で全国45位、ワースト3。実労働時間は男性7位、女性2位。つまり長時間働いているのに収入は少ないという実態です。
県民の所得をいかにして増やすかが求められているときに、県は人事委員会の勧告制度も蹂躙して、職員の月額給与を総額72億円、全職員平均で7.77%もの大幅カットを強行しました。管理職は9.77%もの大幅削減です。前年度の退職金カットに続くもので、職員の士気を低下させるだけでなく、民間賃金の引き下げにも連動し、デフレスパイラルを加速させるものであり、到底認めるわけにはいきません。
介護保険制度の相次ぐ改悪で「保険あって介護なし」という実態が広がっています。特別養護老人ホームの待機者はここ数年減ってはいるものの、依然として全県で8千人を超えています。抜本的な増設は待ったなしです。
人体に有害なフッ素や六価クロムが含まれた鉄鋼スラグが県内の公共工事に使用されている問題です。昨年9月以来再三質問し、全容解明を求めてきましたが、いまだに「調査中」という答弁です。大同特殊鋼は、廃棄物であることを承知しながら、逆有償取引までして、公共工事に使ってきました。国交省による最近の調査では、八ツ場ダム関連など、少なくとも県内26カ所の工事現場で鉄鋼スラグが確認されています。これに県が「通達」までだしてお墨付きを与えていたことは重大です。「通達」の撤回とともに、一日も早い徹底究明と撤去を求めます。
福島第一原発では、昨年7月に高濃度の放射性物質に汚染された地下水の漏えいが発覚しました。県と東京電力は「原発事故にかかる覚書」を締結していますが、先の汚染水漏れ事故に際して通報がなく、これに対して県は何のアクションも起こしませんでした。いまだに原発事故は収束していないにもかかわらず、再稼働や海外輸出の策動がすすめられています。ひとたび事故がおこれば、群馬にも甚大な影響を及ぼす新潟県柏崎刈羽原発の再稼働もねらわれています。県は原発に対する姿勢を改め、県民の立場ではっきりとモノをいうべきです。
第二の反対理由は、大型開発優先で借金依存体質から依然として脱却できていないという点です。臨時財政対策債を含めた県債残高は1兆1680億円。県民一人あたり59万円にのぼります。一方で、「7つの交通軸」には昨年度318億円もの血税が投入されました。前年度比で30%増です。この7年間で1700億円もつぎ込んでいます。すでに幹線道路があり、たいした渋滞もないのに、並行して大規模な道路を建設しても、それほど投資効果は期待できません。新しい道路沿いに大型商業施設ができる一方で、旧道沿いや中心商店街は寂れてしまった例はいくらでもあります。幹線道路整備で地域経済が潤うという幻想は捨て、通学路の安全整備や公共交通網の整備・拡充にこそ回すべきです。
八ツ場ダム建設について昨年10月、4回目となる基本計画の変更が多数で同意されました。利水上も治水上も必要ないばかりか、地すべりの危険性が高いことは再三指摘してきた通りであり、さらに造成地の鉄鋼スラグ使用問題が急浮上しています。八ツ場ダムの本体工事はただちに中止して、徹底的に調査し、撤去するのが先決ではないでしょうか。
第三に、安倍政権による「戦争する国づくり」、国民犠牲の暴走政治に追随、加担しているという点です。
今年2月、新潟県関山演習場と群馬県相馬原演習場を使った日米合同軍事演習が強行されました。相馬原を使うのは18年ぶり。今回、オスプレイの使用は見送られましたが、かわりにCH-53大型輸送ヘリによるヘリボーン訓練といわれる敵地派兵訓練が行われました。特に関山演習場での雪中訓練は、沖縄ではできない訓練です。訓練の移転ではなく、新たな訓練を実施するものです。知事は、「県民生活に深刻な影響を及ぼすような飛行訓練については、自粛や中止を求める」といいますが、戦闘訓練自体が県民の生命、安全を脅かすものであり、毅然とした対応をとるべきでした。
群馬上空での米軍機の低空飛行訓練問題でも、県庁などに騒音測定器を設置し結果を公表していることは評価できますが、爆音と墜落の危険から住民生活を守るために、知事自ら首相官邸及び米国大使館に出向いて抗議と中止要請をすべきではないでしょうか。
TPP問題で県は昨年、その影響額を635億円と試算しましたが、そのうち畜産関係だけで505億円にのぼります。本県農業や地域経済に与える影響ははかりしれません。政府がアメリカの要求を丸呑みしようとしている中で、本県農業、畜産を壊滅させるTPPに反対の立場を明確にするとともに、交渉からの即時撤退を政府に働きかけるべきであります。
以上の理由から、決算認定に同意することはできません。
国いいなりでなく、県民のいのちとくらし、平和と民主主義を守る立場に立たれることを知事に強く求めまして、私の反対討論といたします。